ロビコネのローストビーフ丼

「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」と言えば、実写版を思い浮かべる世代である。
そんな40代ともなると、若い頃のように肉を食べる気持ちも薄れるとはよく聞くものの、個人的には若い頃から変わらず赤身肉を好んで食べてしまう。
本当はがっつりとかぶりつくような赤身と向き合いたいと思いながら、案外そんな機会は少ない。

名古屋駅から桜通を東へ3分ほど、左手に見えるKDX名古屋駅前ビルの地下1階「肉カフェ ロビコネ 名駅店」は、あ、今日は肉が食べたい、と思った時に候補に挙げたい店だ。焼肉やステーキほどのディナー感もなく、午後からの仕事を阻害しないお昼ご飯。それがロビコネのローストビーフ丼だった。


ロビコネ丼(M)

ロビコネ丼(M)

オーダーは食券式。入口の券売機を見ればローストビーフ丼以外にもいくつかメニューはあるが、看板メニューのロビコネ丼をチョイス。サイズはS、M、Lの3サイズ展開。満足感とコストのバランスで毎度M(1080円)を選ぶものの、女性にはSサイズがちょうど良いのかもと思う。
待つことしばし、丼の底から高くそびえ立つ「ロビコネ丼」が到着。

何度見ても「え、これ全部肉?」と錯覚してしまうほどに綺麗にローストビーフが盛り付けられており、ライスの姿は見当たらない。一見して「丼とは」と丼物の定義を問い直してしまう。ローストビーフの上からは肉の赤によく映える白いソース、そして頂上にはウニがちょこんと乗る。
「ローストビーフ丼、剥がして食べるか? 崩して食べるか?」そんな「if もしも」が頭を巡る。
頂上から避難させたウニを丼の隅に置き、1枚めくり、2枚めくり。ピタリと巻き付けられているローストビーフを剥がすたび、少しの罪悪感が頭をもたげた。お店の方が一生懸命盛り付けたであろうこの丼を、どうしたら失礼なくいただけるだろうか。「剥がして食べるなら、最初からこんな風に盛ってないよ!」と言われないだろうか。


オニオンソース

濃いめがお好みの方にはオニオンソースを。

3枚目のローストビーフをめくった頃、ようやく卵黄とライスが顔を出した。もういいだろう、と卵黄を雑につぶしてレンゲに肉・飯・ソースの小さな丼を作る頃には、食べ方よりもご飯と肉をいかにバランスよく食べ終わるかに気持ちが移ってしまう。
やわらかくしっかりとした味の肉と、少し濃いめのソース。時々脇のカイワレを口にしてさっぱり気分を味わう。合わせて添えられた韓国海苔やニンニクチップで味に飽きがこないし、セットで味噌汁がついていたり、卓上の丼用オニオンソースがあったりと、少しばかり肉を先行して食べ過ぎても調整ができるのも嬉しい。

結局のところ、毎回丼を綺麗にからっぽにしてしまうことで、不躾な食べ方を許してもらっているような、勝手にそんな気持ちになっている。
「どうやって食べるの?」と聞けないまま、ごちそうさまを言って店を出る。
また食べ方に迷いに来たい。


ロビコネ名駅店 看板

ロビとコネの間の牛がかわいい

ロビコネ名駅店 外観

通路側がガラス張りで解放感のある外観


店舗名 ロビコネ 名駅店
住所
愛知県名古屋市中村区名駅3-26-8 KDX名古屋駅前ビル B1F
電話番号 052-756-2522
webサイト https://robikone.owst.jp/
営業時間 月~日、祝日、祝前日: 11:30~22:00 (料理L.O. 21:30)
定休日 none
ランチタイム 11:30~

すずき

雑然とした店内の方が落ち着くタイプ。血糖値と中性脂肪が気になるため気軽に「あ、大盛りで」と言えなくなってきた40代男性。

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